日立懇ビラ(日立・勝田地域版)2002年3月号外               ビラのスタイルで表示(38kB)


  「作った赤字」で賃金カットなんて!
            「48万円も減収。もうガマンできません」
 「定昇確保」「一時金は年間4カ月」で集約方向となった春闘の最終盤で会社側が賃金5%カットを労働組合に提案。職場では「賃金の減額なんてとんでもない提案」「組合はけっして認めるべきでない」「こんなときこそストをかけてでも撤回を」「まずはトップの責任を」「こんな事やられたら、オレのこづかいがなくなるよ」などの声が出されています。

大幅減収! 月あたり四万円も

 三五歳標準労働者の賃金は、約三〇万円(組合発表)となっています。年間の一時金の減額が一カ月分で約三〇万円、そのうえ賃金5%の減額によって月額約一万五千円で年間約一八万円、総額で四八万円、月あたり四万円もの減収となります。
 さらに、一時金は今年の6月の分から「部門業績差反映」によって、年間四カ月分の保障もありません。

「春闘の意味なくする」の批判

 春闘集約まぎわの賃下げ案にたいし「春闘の意味がなくなる」など各職場で怒りが高まっています。
 日立労組本部は団体交渉で「今後の労使関係にも大きな影響を及ぼしかねない内容である。この時期になぜと思う。職場組合員がどういう思いをいだくのか考えると誠に残念でならないし、難題と言わざるを得ない」と回答。書記長コメントでは「そこまでやる必要があるのか」「職場組合員の混乱と、信頼に関わる問題」と言っています。
 日立労組の上部団体=連合の笹森会長は、「間をおかずにこういう提案がされることに憤りを感じる。春闘の否定と見られても仕方がないのではないか」「後続部隊への影響を考えれば大いに遺憾」と語っています。

リストラ費用が大半の「大赤字」
 

 会社は、「2002年3月期業績見通しの修正及び期末配当について」で、連結ベースで四千八百億円の当期純損失を計上しました。この「赤字」を口実にして、「部課長等にはさまざまな我慢をお願いしており、組合員の皆さんにも我慢をお願い」と、賃金引き下げを押しつけようとしています。
 公表しているデータを見ても、四千八百億円の赤字のうち二千八百億円はリストラ費用で、早期退職の退職割増金なども赤字として計上。さらに、株の含み損(八百四十億円)も入れ、赤字を最大限ふくらませています。いわば、「つくった赤字」です。また、連結一千五百五十億円の赤字の大部分は過剰な半導体設備投資によるもので、情報通信システム部門や電力・産業システム部門は黒字です。

「白紙撤回を」が職場の声

 「業績のV字回復を果たすために人件費を削る」という会社の言い分が通るなら「経営の失敗は人件費削減で補う」、「競争力は賃金引き下げで」という論理で際限のない労働条件切り下げ競争を招きます。
 私たちの生活を守るために、今こそ労働組合の真価を発揮し、「賃金5%引き下げ白紙撤回」をめざしてたたいを強めましょう。


        「つくられた赤字論」とリストラ       (単位:億円)
2002年3月期予測 2001年3月期決算 リストラ(人員削減)
営業
損益
最終
損益
リストラ
費 用
経常
利益
内部留保
積増額
内部留保
合 計
国内の人員削減 海外含む
合 計
3月まで 4月以降 合 計  
日立 ▲1,550 ▲4,800 2,800 3,236 3,792 37,504 11,850 4,580 16,430 20,930
東芝 ▲1,350 ▲2,600 1,900 1,880 1,255 16,329 13,300 3,700 17,000 18,800
三菱 ▲ 700 ▲ 700 1,400 2,104 1,433 12,480 16,500 0 16,500 17,500
3社合計 ▲3,600 ▲8,100 6,100 7,220 6,480 66,313 41,650 8,280 49,930 57,230
       ▲は赤字                         (2002.3.12 「しんぶん赤旗」より総合3社のみ抜粋)
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