日立懇全社ビラ2002年10月号           ビラのスタイルで表示(200kB)            


小田原工場 日立がHDDでIBMと新会社
                 どうなる? 労働条件 03年1月6日発足へ

 6月4日、日立とIBMはHDD(ハードディスクドライブ)事業を統合し、新会社を設立することを発表しました。日立はIBMの関連資産を2500億円で買収し、3年後には100%子会社とします。新会社は全世界に11ヶ所の製造拠点を有することとなり、従業員は約24000名(日立約6000名、IBM約18000名)の予定です。こうした動きをマスコミは、「不採算部門のHDD事業から撤退の意志を表明したIBMと、HDD事業のシェア拡大をねらう日立が、トップ交渉で合意した」と報道しました。


日立1500名、日本IBM800名

 7月15日、会社は日立労組小田原支部に対して、新会社設立に関し次の申入れを行いました。
(1)03年1月6日付けで、日立ストレージ事業部から約1500名、日本IB Mストレージ事業部(藤沢)から約800名をJV(ジョインとベンチャー)に移動させる。
(2)移動に関しては「会社分割法」及び「労働契約承継法」を適用する。
 この申入れに対し労組支部は「具体的な進捗が把握できていないという実態です。新会社の事業計画などについてできるだけ早く明示するよう、会社に求めました」との見解を明らかにしました。


労働条件の大きな格差で矛盾

 現在日本IBMと日立の間には労働条件で大きな格差があります。食堂のメニューや価格、退職金、賃金、一時金などにおいて、日立が大きく下回っており、このような両社の社員を新会社に移動させるとしたら、大変な矛盾を抱えることになります。労働条件の切り下げはどちらの従業員にとっても許せないことです。


内部留保2500億円も切り崩し

 日立は、事業買収の資金2500億円を内部留保の切り崩しで捻出することを明らかにしました。先行き不安の事業買収に、巨額の資金を投入するこうした会社の施策には道理がありません。いま日本IBMと日立の多くの従業員から「新会社発足による労働条件の切り下げは許せない」の声があがっています。

IBMの職場ではリストラ反対の大集会

 日立へのHDD部門の売却をめぐり、日本IBM藤沢事業所の職場では、労働条件の切り下げが予想され、将来への雇用不安んも広がっています。
 「出向で行きたい人は出向で行かせよ」「出向でも行きたくない人には本体(IBM)に残し仕事を探せ」の声があがっています。IBMの労働組合JMIU日本アイビーエム支部は、会社に対し@労働条件に関わる一切の情報開示、A労働組合との事前協議と合意、B転籍・出向・配転などについては本人の希望を尊重すること、を要求しています。
 8月30日には藤沢市民会館で「リストラ反対、みんなで力をあわせて、IBM藤沢事業所の雇用と職場をまもる8.30決起集会」が、50団体・200名の規模で開催されました。JMIU日本アイビーエム支部のたたかいは、今回のリストラ計画に大きな影響を与えるものです。


 電機懇が第15回総会開く

 9月21-22日、長野県下諏訪で電機労働者懇談会の第15回総会が開かれました。総会には116名が参加し、激しいリストラとの闘い、サービス残業を無くす取組みの前進、不当解雇を次々撤回させた電機ユニオンの活躍など、活発な討論が展開されました。



 ストップ! 「悪魔の賃下げサイクル」

 人事院は8月8日、国家公務員の「賃下げ勧告」を行いました。この勧告が実施されると、750万人の労働者の生活を直撃するばかりか、年金受給者をはじめとする国民の生活にも大きな影響を及ぼします。
 マイナス勧告となると、さらに民間での賃下げに口実を与え、まさに「悪魔の賃下げサイクル」をもたらします。民間と公務員との共同のたたかいを強め、日立の賃金カットを1日も早く撤回させましょう。
家計は火の車、賃金5%カットは早急に撤回を

5%カット、早期退職などの対応に「物分かり良すぎる!」の声
百%受入れに批判噴出                   日立労組定期大会
 七月の日立労組定期大会では、5%賃金カットや早期優遇退職問題をめぐって、職場からの怒りの声が噴出しました。
「会社施策に対する労働組合の対応は、あまりにも物分かりがよすぎる。早期退職、緊急業績対策など、苦渋の決断であったとしても会社申し入れを百% 受け入れる結果となった。組合員からすれば、労組本部、支部に対して何を言っても何を要望しても結果は変わらないという思いは払拭できない」に代表されるような発言が続きました。
 本部側からは「組合員と執行部の信頼関係を揺るがしかねない大きな施策であった。これを修繕するには相当な努力が必要」という見解が示されました。
 また、運動方針に対しては「企業にとって合理的なものというのは、実は組合員にとっては不合理なケースが多い。合理性というものについては労使が同じ立場、考え方に立っていたら、労組らしい対応はできない」という意見もでました。
 その他「賃金交渉では、たとえ百円でもベアの確保を」「適正な労働時間管理施策について本部で検討願う」「カフェテリアプランの未消化ポイントの有効活用の検討を願う」など、職場の切実な声を反映した意見が今までになく出されました。


サービス残業撲滅を最重点に
   連合
                  (連合のページ)労働時間法制順守の取り組みを強化  まん延する労基法違反の一掃めざし

 日立労組の上部団体=連合では「これ以上放置するわけにはいかない」として、サービス(不払い)残業の撲滅を最重点課題の運動としてとりくむことを決めました。労働組合のとりくみを強化し、「労働時間管理の協定化」をはかる、労働基準監督行政の強化を求め、サービス残業の温床となっている自己申告制度の見直しを厚生労働省などに求めることをあげています。


労災続発は「人員減」も要因

 旧日立工場などの電力・電機グループでは、労働災害が続発し非常事態宣言がだされました。通達では、原因のなかに早期退職制度による人員の減少やリードタイム縮減があげられています。職場では、「やっぱりベテランは必要だよ、すべてがマニュアルというわけにはいかないから」と。規則や精神論だけでは片づかない問題があるようです。

日立懇掲示板
紙・紙・紙

 一般業務で月当たり六八〇,〇〇〇枚、一人当たりに換算すると何と約四五〇枚/月の紙を使用しているそうです。職場では「普段から多い、多いと思ってはいたけど、具体的に数字を突きつけられると、やっぱり多いいね」と変なところで感心していました。 職場では「今の仕事のやり方に原因がある。これを改めていかないと、紙の使用量はなかなか少なくならないよ」と悲観的な声があがっていました。((つち)握手より)


情報開示は職場の願い

 三菱電機との半導体事業の統合に向けてプロジェクトでつめ、両社社長の基本合意と記者会見が近日中に予定されています。
 職場には「統合に関する情報」がなく、不安な状態が続いています。組合は、定期大会で出された意見をもとに、情報開示などを含めた要望書を提出しています。(むさし)


ひび割れを「異常なし」と報告

 東京電力の原発トラブル隠しで、日立にも改ざん指示があったことが公表されました。「悪いことがあると必ず日立の名前がでる。昔からの企業体質なのか」「「東電の担当者からの指示」と言ってるが反省が足りないのでは」との声。(日立

スピード対応しなくてだいじょうぶ?


 職場に『救急患者』発生時の対処法の再徹底指示がありました。本人の状態が「意識無し」「心臓停止」「呼吸停止」でも連絡先が保安係(正門)になっていることに、「一刻を争う時に、直接119番でなくていいのか」と心配の声があがっています。(大みか)

9月中間期業績見通し下方修正

 会社は、業績見通しの下方修正の原因を電力・産業システム部門収支の悪化、デジタルメディア・民生機器部門の不調、電子デバイス部門の市況が軟化した影響と語っています。「5%カットの早期解除を期待していたのに」と職場の声。(水戸)

今月のワンポイント
働きがいのある職場をつくるための提言
           働くルールの確立を

 グローバルな企業経営における国際標準規格ISO9000やISO14000シリーズなどの認証取得が各企業にとって不可欠になっています。労働のグローバルなルールには、国際労働基準をとりきめたILO条約があり、労働者を保護するだけでなく、世界市場での資本の公正な競争のありかたを明確にしています。
 日本国内の労働ルールはどうでしょうか。日本にはルールがないから、大企業のリストラ「合理化」が野放しになっていると考えがちです。しかし、憲法は思想・信条の自由(19条)、生存権の保障、勤労の権利(25条)、労働条件(27条)団結権、団体行動権など(28条)を明確に保障しています。労働基準法による労働条件の保障と違反者への罰則規程、労組法による団結権、団体行動権、団体交渉権の明記などもあります。また、職場での自主的憲法ともいえる労働協約があります。民法にも企業分割や合併への歯止めとなる重要なルールがあります。
 これらのルールを企業に守らせるだけでも働く環境は格段に向上します。EUも「労働者の天国」ではなく、労働者は、大企業の労働のルール切り下げに対して大規模なトラライキをくり返すなどのたたかいを展開し、既得権を大局的に守り抜いているということです。
 ルール破りを許さず、働くルールを確立し、前に進める労働組合にしていくことが重要です。 (おわり)


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