日立懇全社ビラ2002年3月号
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「早期退職優遇制度」により4千人削減
日立は2月28日発表の「緊急経営施策」で、今年6月末までに2万930人(連結ベース、国内1万5千100人、海外5千830人)削減すると発表しました。各職場では「早期退職優遇制度」での希望者を募る「個人面談」が行なわれていますが、電機各社での膨大な人減らしが、景気動向に及ぼすマイナス要因を考えれば、業界としての自粛が強く求められています。
「やっぱりやめません」 「わたしは会社に残ります」
この一言があなたと家族の生活を守ります
会社をやめたくない人は、「わたしは会社に残ります。」この一言をハッキリと会社に言いましょう。「個人面談」を通じて退職強要をおこなうなら「違法行為」にあたります。
職場や年齢によっては、「あなたにはやめてもらいたい」「残っても仕事がない」「残った場合は(賃金7割の)別会社に移ってもらう」「職制は、拒否権は無い」などと強制まがいのことを言われ、制度の優遇内容を説き、今がやめ時といわんばかりのやり方も行なわれています。
また、本人が断ったにもかかわらず再度面談を実施しているところもあります。関連会社でも同様に目標を決めた取組みが行なわれており、不安が起きています。
個人面談で、いろいろ言われても「やっぱりやめません。強制は違法です」と、はっきり断りましょう。
安心して仕事ができる職場環境を
職場では、次のような声が出ています。
●「人減らしの繰り返しでは、安心して仕事ができない」
●「経営者は、将来像とか夢を与えることが必要だ」
●「こんなことでは日立は滅んでしまうのでは」
●「やめる人と残る人で溝ができている」
●「数人が手をあげたら職場がなりたたなくなってしまう」
●「やめた人の技術は、だれも引継げない。」
●「仕事が増えてますます忙しくなる」
日立の経営ビジョンである「世界で一番信頼される会社」を目指すためには、なによりも働く者が自分の将来を見通すことができ、安心して仕事ができる職場環境が必要です。
日本を代表する大企業には、「社会に貢献」するという社会的責任があります。こうした人員削減は撤回すべきです。
これが個人面談の実態だ
私は開口一番、会社を辞めるつもりはない事を告げ、「早期退職優遇制度」には応募しない旨を伝えた。そして、仕事が忙しいのでこれで面談を終る様申し出て、その場から立ち去ろうとしたら、引き止められた。それから面談は長々と続いた。
面談は警察の事情聴取並みで、同じ事を何回も繰り返し説明され、それに対する回答を求められた。「君の将来の事を考えると今回の優遇制度を利用して、自分のやりたい事をやった方が君のためになる」と、こちらの事をいかにも心配している様な口調で話し掛けてきた。「こんな好条件は今後、君が定年退職するまでない」と力説し、退職を迫って来た。
退職する気が無いとみると、今度は「君の居場所はない」と脅迫まがいの事を言ってきた。そして、「新しい職場は他社に業務移管する考えだ。業務移管されたら、君はいらないから、他社に出向するか、慣れない職場に行ってもらう事になる」と、嫌がらせ的言葉を浴びせて来た。俺たちは部品じゃないぞ〜。人間だ〜。 (愛知・関連会社労働者)

日立懇が高崎工場前で宣伝
3月1日夕刻、日立懇は高崎工場での門前宣伝を行い、全社ビラと電機懇統一ビラをセットで配布しました。
この行動は、群馬県労働組合会議、高崎地区労働組合会議、沖電気の仲間の協力を得て行われ、合計22名が参加しました。
(旧)那珂工場サービス残業是正へ VDT使用 実績もとに
日立ハイテクノロジーズ那珂事業所(旧那珂工場)において、残業時間の見直しがおこなわれた。
2月13日、設計の職場では、メールで各人に対し「労働基準監督署の指示により労働時間再確認実施の指導を受けた」、「昨年10月から3ヶ月間の労働時間の見直しをして過不足があれば15日までに申請書を提出ください」との連絡があった。
パソコン使用実績で見直し
各人には、@3カ月の勤休実績表、AVDT実績(パソコン使用時間実績)、B休日入出門記録、C時間外労働時間再申請書が渡された。
資料のうち、「VDT実績」はパソコンの操作記録で、健康管理面からコンピュータ画面作業時間を記録したもの。このキーボード操作記録時間と残業申告時間が大幅に違うと不自然というものだ。
3ヶ月で300時間も
職場では、「2日間で48時間稼動、休みゼロの実態が明らかとなり、正直に申請すると大変なことになる」、「3カ月で三百時間の見直し申請をしたら上司に怒られた」と大騒ぎとなったが、全員提出し、2月分の給料で残業代の支払いがされた。(詳細次号)
日立懇などの 運動で実現
人事から「拘束時間イコール実労働時間ではない。能力・成果主義は変更ない。あくまで自己申告である。30時間を超えたらEワークから除外」等々のおどし文句は付いているが、今回の実績は大きい。
労働者、家族の不満がうずまいていたなかで、日本共産党や日立懇の働きかけがきっかけとなって、今回のサービス残業の見直しとなったと思われる。 (茨城・旧那珂労働者)
54歳転属、意欲、誇り、生活も破壊
旧勝田の素形材事業部では、人件費を削減させるため、54歳で「ハイテス」への転属、その後元の職場に逆出向させるというとんでもない合理化案が提案されています。
職場ではギリギリの人員で、納期に追われ一人休むだけで勤務を組むのに四苦八苦状態です。今度の早期退職にどこかの職場で数人が手を上げたらそれだけで工場が成り立たない状態です。60歳まで安心して働け、技術の継承できる後継者作り、働く意欲のわく職場が求められます。 (茨城・素形材 「はがね」)
ワークシェアリング
平日はいつも残業や出張で子供たちが眠ってからの帰宅、土曜日は休出。日曜日の朝、「今日は家にいるんでしょう」という妻の言葉に5歳の息子が、「僕が社長に手紙を書いてあげる。パパを早く帰して下さいと」。
ワークシェアリングをいうなら、裁量労働で毎日サービス残業で遅くまでやっている人たちの仕事を見直して
やるべきじゃないだろうか。 (武蔵「むさしNet」)
年休も取れない!
退職した人がいても、産休に入る人がいても、病気療養のため休暇を取る人がいても経営が厳しいからと増員は無し。
残された人たちの負担が大きく、有給休暇も取りたいときに取れなくなりそうで不満だ。権利を行使させるためには、人的保証をしっかりしてもらいたい。(戸塚「柏尾川」)
命が危ない! 「小泉医療改悪案」
3月1日の臨時閣議で健康保険法等改悪案を決定、国会に提出しました。この改悪案で私たちの医療はどうなるのでしょうか。
50%アップアップ!
私たちサラリーマンや公務員本人の窓口負担は、来年4月から3割に引き上げられます。家族が入院したときの負担も2割から3割に上がります。 たとえば慢性疾患の高血圧症で月2回の通院では、月額1,760円の増加、年間では、21,120円にもなります。本人だけでなく、入院治療をしている家族がいたらもっと大変です。この負担増だけでなく受診抑制を4,500億円も見こんでいます。
お年寄りにも負担
70歳以上のお年寄りにも負担を押付けています。診療所の1回800円の定額制、病院で
は3千、5千円の上限制を廃止し、1割負担となります。年収380万以上では2割負担となり、病気によっては13倍となるケースもあります。
中小企業にも
中小企業の労働者も保険料が来年4月から値上げされます。現行の給与天引きと同様の比率でボーナスからも保険料も徴収されるようになり、労働者への負担は増えます。これは、健保や公務員にも適用されます。
深刻なデフレ状態の中で、さらに追討ちをかけるような医療改悪は、雇用・生活への不安だけでなく健康・生命への不安も重なり、働く者へのいっそうの「痛み」を押付けるものです。こうした不安を煽るやり方では、デフレ・不況からの立直りはできません。将来不安をなくし、国民の生活を応援する政治へ変えて行くためにも、こうした医療改悪を許さない運動を作り上げましょう。