職場の不安に応えた経営施策を
半導体事業 三菱電機と新会社
安心して働き続けられる職場に!
旧武蔵工場
日立は10月3日に、三菱電機と半導体事業を統合し、新会社「ルネサス テクノロジ」を来年の4月1日に設立すると発表しました。半導体グループの職場では、全体職場集会(10/10)や職場集会が開かれ、職場の意見集約が行なわれています。そうしたなか「安心して働く続けられる職場を」との声が強く出されてきます。
新会社にたいして
新会社は大丈夫か? 資金調達はどうなる?
「資本金500億円は、売上げ規模や人員などを考慮しても少なすぎるのではないか」「設備投資を1000億円/年としているが、その資金調達はどうするのか」
「親会社となる日立・三菱の経営責任と支援体制の明確化をはっきりさせてほしい」などと求めています。
全員移籍について
日立に残りたい 武蔵で働きたい
「日立の名前が消えるのは寂しい」、「今まで日立という名前で様々なメリットがあった」、「移籍を希望しない人に対しては、日立社内での配転はありうるのか」、「異議申し立てが出来ないとしているが、個々の事情を聞く用意はあるのか」、「家族との関係で転勤などできないので小平地区で働きたい」、「拠点のひとつである武蔵事業所の位置付けを明確にすべきだ」との願いが出されています。
労働条件について
労働条件は高い方に 削減分の返金を
「労働条件等一元化を図るとしているが、水準の高い方にあわせる事を考えて欲しい」、「三菱にないカフェテリアプランなどの存続をのぞむ」、「三菱には社宅や寮がないと言われているがどうなるのか」、「新会社への移籍前に、半導体独自の一時金10%削減分や全社の賃金5%削減分を返済してほしい」などの声が寄せられています。
統合による不安をなくせ
「今が正念場という気持ちを更に強く持って頂きたいです」との声に代表されるように、今回の半導体事業統合に対する不安を取り除く経営施策が強く求められています。
悪法のなかにも存在する“歯止め”のルール
三菱との事業統合は、昨年4月に施行された会社分割法制と労働契約承継法が適用されます。
これらの法律は「企業分割を円滑にする」のが狙いとされ、「個別同意がなくても転属させられる」とか「退職金を支給せずに転属させられる」など、企業に都合の良い内容と言われています。
ただ、「分割会社へ移る対象者への個別説明協議義務(労働組合への説明でなく、対象労働者一人ひとりと協議)」や、「労働条件不利益変更禁止」が明記されており、それらの条項を活かしてたたかうことができます。
(詳しくは坂本修著「暴走するリストラと労働のルール」参照)
日立懇は結成10周年行事として、10月5日に東京の全労連会館にてミニシンポジウムを開催しました。全国の日立と関連会社の職場から62名が参加し、さらに労働組合、電機懇、弁護士、民主団体からの32名とあわせ、計94名の参加となりました。
@日立のIT戦略と未来
A日立の海外進出と職場の空洞化
B日立の事業再編と職場の状態
これら三つの角度から、それぞれ豊富な資料に基づき、現状と問題点、方向を解明しました。
家計は火の車、賃金5%カットは早急に撤回を
旧土浦工場 「緊急業績対策」を全面解除
日立インダストリイズ(HIC)=旧(つち)では、「緊急業績対策」が、十月からの全面解除と、十二月の一時金に一人平均6万円が上積みされることになりました。
HICでは、賃上げ凍結、残業手当5%分カット、業務手当て・Eワーク手当ての5時間分カットと一時金の削減(4・2ヶ月/年)が実施されてきました。当初、解除に当たっての最大の条件は黒字になることでしたが、水面ギリギリの状態ではあるが、下期に作業量が集中していることもあり、それを消化していくために全面解除となったものです。
職場では、直前まで「知らなかった」という人が結構いました。この話を聞いて「ホントー、良かった。もう大丈夫だろうな」とホッとする労働者。そんな中「日立製作所は解除という話を聞かないけど、日立に転籍出向している人たちはどうなるんだろう」と心配する声。HICには業務の関係上、日立製作所に「転籍出向」している人がかなりいるため「同じ職場で仕事をしているのに、俺たちが上がらないことになったらとんでもない。」と怒りの声もでています。
サービス残業代15億円を支払う
東京労働局は、昨年一月から今年六月までの間に、時間外労働等に対する割増賃金が適正に支払われていない事案につき是正を勧告・指導した結果、一事案当たり100万円以上の支払いがなされたものについてとりまとめを行いました(上表)。報告によると、是正のきっかけは労働者や家族の電話や投書などの情報提供によるものであった。労働者一人当たりの平均支払額は約10万円、また、労働者一人について支払われた最高支払額は234万円余。
沖電気に250万円払わせる
サービス残業(ただ働き)の是正を労働基準監督署に申告していた労働者に、勤務先の沖電気工業が二年前にさかのぼって約千時間分の不払い残業代、約二百五十万円を支払いました。
是正の決め手は、日々パソコンに入力し出退勤時間を記録したメモです。是正を勝ちとった労働者は「連日深夜まで残業しても残業代は月二〇時間などと決められた上限枠まで。過労死の不安があったので事実関係を残しておきたかった。」といいます。
職場では、「ありがとう。実は私も残業時間をつけているんだ」「私の残業代ももらえるだろうか」という声があがっています。
日立懇掲示板
別会社化で、社販がなくなった
日本AEパワーズへの合併で社内販売(家電品などの割引)がきかなくなった。「もう、日立の製品買っても、何もいいことない。」そんなことばが交わされています。
仕事面でも、日立でないために動きが悪くなり、営業、支店、などから苦情が続いています。「変圧器は富士電機中心。日立としてやってきたポリシーがまったく感じられない」。職場でも、呆れ声が上がっています。 (旧国分)
時代錯誤の持ち物検査
(中研)では、従業員に対して「基本と正道」のキャンペーンがはられています。
当たり前のことを当たり前にしようと説くのは良いのですが、従業員を信用できない極め付きのことが行われようとしています。「従業員の持ち物検査を適宜実施」するというのです。これが「基本と正道」だと言うのでしょうか。 (中研)
大企業にふさわしい開発環境を
人員不足のうえに、研究のスピード化や即商品化が日夜追求され仕事量は増えるばかり。夜遅くまで仕事の勉強をしても、「自己啓発」とされ、残業とさせないチェックもされています。一方、精神障害による罹病率が全社の平均を上回り、会社は、緊急対策としてメンタルヘルスチェックの実施を決めました。
サラリーマンがノーベル賞を受賞した島津製作所は企業イメージアップになり株価もあがりました。資金力、人材が豊富な日立の研究部門がこんな職場でよいのでしょうか。 (日研)
HDD部門の日立への譲渡で
日本IBM労組が地労委に提訴
日本IBM労組は10月17日、日本IBMが会社分割制度を使ってHDD部門を日立に売却するのは脱法的だとして、不当労働行為の救済と、会社分割による移籍の一時差し止めを求めて、神奈川地労委に申し立てをしました。
会社分割で11月28日に子会社を設立し、社員800人を移籍させ、次の日に子会社の株式を日立の持ち株会社に100%譲渡、翌03年には日立側のHDD部門と事業統合されます。
会社分割の際には労働条件の不利益変更や解雇ができないよう、労働契約承継法で定められています。今回の手続きは、日立との賃金格差(25〜35%とも言われている)が大きく、労働条件が大幅に下がる可能性が大。これでは会社分割が新たな大量リストラに利用されてしまいます。 (STR)
今月のワンポイント
意に添う政治家への献金継続のための「政治団体」設立?
電機連合が「『政治団体』を設立する」という方針を提起しています(9月10日機関紙)。それによると、「政治を身近にし、社会の変革を実現するために」と書かれています。
政治資金規正法改訂により、政治家個人に対して労働組合として献金ができなくなったので、電機連合が「政治団体」をつくり、組合員を加盟させておカネを集め、電機連合の意に添う特定の政治家に献金しようというものと見られます。加盟は、「本人の了解が必要」とされていますが、半強制的にされたり、組合費の一部として給料天引きで会費徴収という心配も否定できません。「労働組合はいろいろな思想・信条の違う人達の集まりなのに。政治運動をしたければ、したい人だけ自分と主義主張のあった政党に入ればいいのでは。労働組合のやる政治活動はもっと違うことのように思う」という声が出されています。
茨城県内の事業所では県議選を前にして社員候補への紹介運動が始められていますが、労組の職場役員からも「また動員が始まるのかぁ。」という声も出されています。 電機連合の政治団体設立の動きは、職場の声に耳を傾けず、組合員の意識と逆の方向に進もうとするものと言わなければなりません。
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