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   日立懇全社ビラ2002年6月号


 一方で赤字宣伝、他方で会社分割
     戸塚  茂原 ・・・
 日立製作所は昨年4月に「会社分割制度」が新設されると同時に、この制度を適用し、分社化を押し進めてきました。今年の10月にはディスプレイ事業(茂原工場)と通信事業(戸塚工場)について、この制度を適用し、新会社を設立すると発表しました。今後システムLSI事業(武蔵工場他)とハードディスク事業(小田原工場)についても予定されています。昨年10月から今年の10月までの1年間にその規模は、売上高2兆円、従業員4万人以上(連結)となります。


不採算部門の会社分割は無効

 現在、日立は関連会社も含め、2万人以上の人員削減と賃金5%カットが赤字を理由に押し付けられています。早期退職の個別面談のなかで「残っていても良いことはない」と言われた人もおり、新会社設立は労働者に大きな不安をもたらしています。
 「会社分割制度」の法制化にあたり、政府は「不採算部門をこれに適用することはできない」と答弁しており、今回のように一方で赤字を理由に人減らしや賃金カットを押し付け、他方で「会社分割制度」を適用するというのは矛盾したやり方です。


「会社分割制度」の問題点

(1)「会社分割制度」は「労働契約承継法」とセットで、労働条件が同じなら、会社移籍での個別同意は必要ないということになっており、従来の「転籍には個別同意が必要」という権利をなし崩しにする悪法です。

(2)転籍時の労働条件は一応同じでも、新会社設立後は個別の労使交渉で労働条件が決められることになります。
 現在の日立関連会社の状況を見れば、業績がかなり良くても日立製作所並み、悪ければ即座に切り下げられることは明らかです。

(3)年金については厚生年金基金から外れ、適格年金が適用されることになります。利率は現状では同じことになっています。しかし会社が倒産した場合、厚生年金基金は国が補償することになっていますが、適格年金には国の補償はありません。

(4)日立製作所は関連会社に対し、今後2年間赤字が続いた会社は事業撤退するという方針を打ち出しました。会社分割により一方的に労働者を新会社に移籍させ、赤字になれば事業撤退(工場閉鎖)によって切り捨てるという方法は、働くものの生活と権利をないがしろにするものであり、許されません。


日立・関連労働者は団結しよう

 高度経済成長期に「10万のスクラム」と歌われた日立労組も、今回の分社化で3万人台に突入するのは必至です。分社化された労組が個別の労使交渉をしていたのでは、労働条件は切り下げられるばかりです。日立関連会社の労働者・労働組合が団結し、雇用と生活を守るために運動を強めることが求められています。

                  会社分割制度を適用した事業所(予定含む)

時期 社名 統合会社名 対象旧工場名 売上高(連結) (億円) 従業員数(連結)
2001/7 (株)日本エーイーパワーシステムズ (国分)、富士電機、明電舎 国分工場 180 1300
2001/10 (株)日立ハイテクノロジーズ゙ (計)、日製産業 那珂工場他 8930 8353
2001/10 (株)日立インダストリーズ (つち)、日立テクノ 土浦工場 900 2100
2002/04 日立ホームアンドライフソリューション (家)、日立栃木エレ、 日立多賀エレ 栃木工場
多賀工場
5600 1万8000
2002/04 (株)日立産機システム (産機)、日立東サ、日立西サ 日立ドライブ゙、日立中条シス 習志野工場
中条工場他
1490 4800
2002/10 未定 (DP) 茂原工場 2400 8200
2002/10 未定 (通信)、日立テレコム 戸塚工場 600 1540
未定 未定 (武蔵)、(高崎)、(甲府) (LSD)、三菱電機 武蔵工場他    
未定 未定 (STR)、IBM 小田原工場    
      (合計)     4万4293


 電機各社の賃下げ・定昇凍結…日立が最悪?

○日立製作所:組合員一律賃金5%カット
○沖電気:賃金平均6%カット (職級により差)回復時に返金
○安川電機:1日25分短縮で賃金5%カット
○アンリツ:月2日の休日増で賃金10%カット
○三菱電機:年間休日7日増で実質賃金2.9%カット
○松下電器:半年間の定昇凍結
○東芝:半年間の定昇凍結
○NEC:半年間の定昇凍結
○富士通:5ヶ月間の定昇凍結
○明電舎:1年間の定昇凍結



       戦争への道はごめんだ! 有事法制に反対しよう



電機各社でサービス残業是正
       フレックスタイム制の廃止「ニセ裁量労働」の見直しと一体で

 電機の職場では、労働者のたたかいが前進し、サービス残業(ただ働き)の是正が相次いでいます。サービス残業の温床であるフレックスタイム制や「ニセ裁量労働」の見直しも併せて取組まれているのが特徴です。

三菱電機で七百人に七千万円支払わせる


 三菱電機でサービス残業の是正にむけて大きく動き出したことが、労働基準監督署の報告でわかりました。尼崎市と伊丹市にある同電機の5事業所と1研究所(計9千人)で、2カ月分の残業代不払い分として、まず7百人(3万時間)にたいして約7千万円(最高90万円)が支払われています。
 サービス残業をなくすために、各事業所は、残業代請求の上限枠を事実上撤廃し、各職場では課長が「日々、適正な始終業時刻の記録をつけること」、「実残業時間を申告しても不利益な扱いをされることはありません」とくりかえし徹底しています。


シャープでもサービス残業代払わせる

 社員にサービス残業をさせていたとして、大阪南労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受けたシャープは、全国の事業所で未払いとなっていたサービス残業分の時間外賃金を支払いました。
 同労基署が今年2月、同社に立ち入り検査し、フレックスタイム制の社員が、退社時刻を改ざんして残業時間を短く申告していたことが判明したためです。同社は3月にフレックスタイム制をやめました。

富士通はサービス残業の温床にメス

 厚生労働省の通達に基づき、「ニセ裁量労働制」であるSPIRIT制度の見直しがおこなわれました。「専門業務型裁量労働制に該当しないもの」は労働時間の管理(IDカードによる出退勤の管理と残業をカウント)をする。また、裁量制適用の労働者にも、深夜残業および休日勤務は時間管理(IDカードによる打刻)を行なうというもの。
 また、同社もフレックスタイム制を全廃しました。


日立懇掲示板

賃下げの補填に闘争資金の払い戻し

 緊急業績対策が日立労組中央委員会において承認されたのを受けて、組合が一斉・闘争積立の凍結(6,600円/月,一時金時:6,000円/回)と、闘争資金の一部払い戻し(積立額の半額相当分=満期で十万円/回×二回)の実施を決めました。また、「ろうきんの協力」により低金利融資制度(融資限度:60万円、金利:1.5%)が創設されるとのこと。組合員の強い要求により実現したことですが、「こんなことでごまかされたくない」と素直に喜べない人も多いようです。(大みか)


ハローワークは超満員

 早期退職した人が、ハローワークに行ったらすごい人で、超満員状態だったとのこと。車が路上までいっぱいで、停める場所もないほど。それでも、自分たちは予め会社から申請されているので受付けの人も承知で手続きはスムーズだった。パソコンで求人を見たけど、50歳過ぎの仕事はほとんどない。近いうちに再就職支援サービスセンターにでかけるとのことです。(国分)


組合費値上げ提案不満の声多数

 日立支部では組合員の急激な減少(来年度には4400名に減少)にともない、執行部から組合費値上げが提案されました。組合員平均で406円(15%)値上げするというものです。
 職場では、「5%賃金カットされるのに組合費15%値上げとは何だ!」「政治活動資金に月150円集めている。これを止めるべきではないか。」など、不満の声が多数あがっています。(日立)


連合メーデーで企業議員が選挙の訴え

 連合茨城の日立地区メーデーが4月27日行なわれました。三千人の労働者が参加、「雇用、生活、将来不安の解消」を訴え、“元気宣言”を行なったほか、家族と一緒にイベントを楽しみました。
 式典では実行委員長や来賓の日立出身議員が異口同音に、「雇用・生活不安を払しょくするには政権交代が必要」「まずは今年十二月の県議選挙を民主党中心に勝利しよう」と訴えました。
 有事法制への反対や、肝心の、地元の日立が大量のリストラや賃下げで雇用・生活不安を増大させた責任追及はまったくなし。企業城下町で闘う力をなくした労働組合のメーデーの特徴が鮮やかにでていました。(茨城)


今月のワンポイント

−− 働きがいのある職場をつくるための提言 −−

 働きがいのある職場づくりと、頼りにされ信頼される労働組合の再構築のための提言をシリーズで掲載します。

明白な労働基準法違反である「サービス残業」をなくそう


 職場では利益第一主義のもとに成果主義・能力主義が強行され、「赤字対策」と称して人員の削減やサービス残業がまかり通っています。
 サービス残業とは、「残業をさせておきながらそれに対する手当を支払わないこと」を指します。法律的には労基法24条、37条に違反し、119条により6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される犯罪行為です。
 サービス残業を根絶するために下記の実現を目ざすことが重要です。
○労働時間管理を「ICカード」を使った自動記録で実施する。
○Eワークの除外と復帰を無申請で行える制度にする。
○残業予算管理や残業時間の作番(原価)計上をやめさせる。
○サービス残業・長時間残業解消に見合う人員増を要求する。

・次回は、Eワーク=「ニセ裁量労働」です。 (ご意見をお寄せ下さい)


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